機能性表示食品として届出公表された生鮮食品の件数について、機能性関与成分ごとに集計しました。2015年4月から2024年3月までの届出件数上位20位までの機能性関与成分は表のとおりです。

生鮮食品の機能性関与成分届出件数
GABA81
β-クリプトキサンチン22
イミダゾールジペプチド20
DHA・EPA16
大豆イソフラボン13
ルテイン12
リンゴ由来プロシアニジン10
スルフォラファングルコシノレート9
ナリンジン4
リコピン4
GABA、リコピン4
オレイン酸3
ケルセチン3
パイナップル由来グルコシルセラミド3
ロスマリン酸3
GABA、β-クリプトキサンチン2
GABA、大豆イソフラボン2
α-リノレン酸2
イヌリン2
ビルベリー由来アントシアニン2
ルテオリン2
消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」から集計(対象期間:2015/4/1~2024/3/31)

〈GABA〉

制度が発足した2015年4月から2024年3月までの生鮮食品の届出計232件のうち、GABAのみを機能性関与成分とする届出は81件であったほか、加えてGABAとリコピンが4件、GABAとβ-クリプトキサンチンが2件、GABAと大豆イソフラボンが2件、GABAとクエン酸が1件でした。合計してGABAを機能性関与成分とする生鮮食品の届出は計90件、実に生鮮食品全体の約39%を占めています。品目別では、野菜、果物、米の計22品目にのぼり、トマト28件、バナナ27件が多く、次いでパプリカ5件、メロン4件、ケール4件でした。ヘルスクレームでは、血圧64件、ストレス・疲労感28件、睡眠9件、肌7件、認知機能(記憶力・空間認知力)4件であり、1つの届出で複数の機能性(最大4つ)を表示しているケースもみられます。

〈β-クリプトキサンチン〉

カロテノイドに分類されるβ-クリプトキサンチンを機能性関与成分とした生鮮食品は22件あり、さらにβ-クリプトキサンチンとGABAの2件を加えると、計24件、生鮮食品の約10%を占めています。品目の内訳はみかんが21件、柿が3件でした。24件全てで骨の健康維持の機能性を表示しています。

〈イミダゾールジペプチド〉

イミダゾールジペプチドを機能性関与成分とする生鮮食品20件のうち、品目別では、鶏肉15件、豚肉3件、ダチョウ肉とくじらが各1件です。全て疲労感の軽減をヘルスクレームとしているほか、さらに加えて中高年の認知機能(記憶力)と合わせたダブル表示が5件あります。

〈DHA・EPA〉

オメガ3系多価不飽和脂肪酸であるDHA・EPAを機能性関与成分とする生鮮食品は16件あり、品目では鶏卵が10件、魚(かんぱち、ぶり、まいわし、まだい)6件でした。全て血中中性脂肪の低下をヘルスクレームとしているのに加え、そのうち2件は中高年の認知機能(記憶力、判断力)維持に関する機能性も表示しています。

〈大豆イソフラボン〉

大豆イソフラボンのみを機能性関与成分とした生鮮食品は13件、さらにGABAと大豆イソフラボンの2件を加えて、計15件でした。品目は全て大豆もやしです。15件とも大豆イソフラボンのヘルスクレームは骨の健康維持であり、そのうち3件は中高年女性の肌の潤いを保つ機能性も加えてダブル表示としています。

〈ルテイン〉

カロテノイドの1つルテインは12件の生鮮食品の届出において機能性関与成分とされていました。品目別では、ほうれんそう4件、ケール4件、かぼちゃ、小松菜、鶏卵、カット野菜が各1件でした。これらに含まれるルテインを摂取することで、目の黄斑部の色素が増加し、光による刺激から目を保護する、ぼやけ等を軽減してくっきり見る力を改善する、といったヘルスクレームが表示されています。

〈リンゴ由来プロシアニジン〉

ポリフェノールに分類されるプロシアニジンを機能性関与成分とする生鮮食品は10件であり、機能性表示食品として届出された生鮮りんごは全てこの10件でした。生鮮食品以外にも、リンゴ由来プロシアニジンを機能性関与成分とする届出は、加工食品(その他)が2件(ジュースと乾燥りんご)、加工食品(サプリメント)が32件にのぼっています。ヘルスクレームは、内臓脂肪を減らす、紫外線から肌を保護する、の2種類がみられます。

〈スルフォラファングルコシノレート〉

アブラナ科の野菜に特徴的な成分スルフォラファングルコシノレートを機能性関与成分とする生鮮食品では、ブロッコリースプラウト、ケールスプラウト、ブロッコリーの届出があり、計9件でした。機能性としては、肝臓の健康状態の指標の1つを改善する、肌の水分量を高める、の2種類が表示されています。

〈その他の脂肪酸〉

前述のDHA・EPA以外の脂肪酸を機能性関与成分とした生鮮食品の届出としては、オメガ9系一価不飽和脂肪酸の「オレイン酸」が3件、オメガ3系多価不飽和脂肪酸の「α-リノレン酸」が2件あります。オレイン酸を含む生鮮食品3件は、ピーカンナッツ、豚肉、アボガド、ヘルスクレームはいずれも、血中の正常なコレステロール(LDLコレステロール及び総コレステロール)をサポートする、でした。α-リノレン酸を含む生鮮食品2件はいずれもクルミで、血圧及び血中LDLコレステロールに関する機能性を表示していました。参考までに、加工食品(その他)では、オレイン酸を機能性関与成分とする届出は無く、α-リノレン酸を機能性関与成分とする届出は計40件あり、食品形態としては、あまに、えごま、チアシード等の植物油、ドレッシング、マヨネーズ、総菜のサラダがみられます。また、エノキタケ由来脂肪酸(リノール酸、α-リノレン酸)を機能性関与成分とした加工食品(その他)の届出は3件あり、内臓脂肪・体重・BMIに関連するヘルスクレームです。

〈その他のポリフェノール〉

大豆イソフラボンとリンゴ由来プロシアニジン以外のポリフェノールに分類される機能性関与成分(品目)では、ナリンジン4件(グレープフルーツ)、ケルセチン3件(たまねぎ)、ロスマリン酸3件(大葉、えごまの葉)、ビルベリー由来アントシアニン2件(ブルーベリー)、ルテオリン2件(唐辛子)、柿タンニン1件(柿)がありました。

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